2015/12/14 18:53

昨日、12月13日に森先生にお会いしてまいりました。

森先生の作品から受ける印象は色彩の美しさや、みずみずしい生命力、造形美の斬新さ、数多くありますが、
これら作品が悲惨な戦争を体験し、実は現在94歳(来年3月には95歳のお誕生日をむかえます)の一人の女性が生み出したと知ったら、
驚かれる方が多いのではないでしょうか?

森先生の作品には時代を超えた美があり、何も知らずに作品を観た方は「若い作家さんかな?」と思われるそうです。

ご高齢ということもあり、現在は作品作りをお休みになっていますが、
昨日お会いしたときも、花が咲くように笑顔がこぼれ、お顔の色もよくお元気そうでした。

ガラスに反射してしまい、上手に写せませんでしたが、先生の作品です。

当日は長年先生の元で助手を勤められている、ガブロム工房の浦野先生の他、
森先生のお嬢様ともご一緒させていただきました。

50年あまり森先生と過ごされ、その創作の現場をつぶさにご覧になった浦野先生。
そして、家族として森先生と過ごされたお嬢様。
お二人の語って下さるエピソードの一つ一つが「やっぱり!」だったり、「え?そうだったんですか?」だったり。
先生も私達の会話に耳を傾け、ニコニコとやわらかい笑顔を浮かべていらっしゃいました。

私が心惹かれたエビソードをいくつか・・・

先生が北欧など旅先でモチーフになるような風景に出会われたとき、
もちろんスケッチもなさったのですが、写真も撮っていらっしゃいます。
当然、作品にしかふれていない私にとって、
森先生の目線で撮った写真はどんなふうだったのだろうか?ということが気になります。

浦野先生のお話では、全体ではなく、心惹かれた対象を大きく撮っていらしたとのこと。
切り取られたそのクローズアップ写真は浦野先生の眼からみても「森先生らしさ」あふれた素晴らしい写真だったようで、
資料としても価値のあるものだったそうです。
いったいどんなものが先生の心をとらえたのだろう?
私も機会があればぜひ、その写真をみせていただきたい!と思いました。

もうひとつが、簡単にさらっとは書けないのですが、
「森先生は何事に対しても大変とは思わない」ということ。

私等凡人は何にでも「あれがこうで無理」「これがああで大変だから」とある意味「出来ない言い訳」をすぐにさがしてブレーキをかけますが、森先生にはそういう感覚がないそうです。
行動力もある方ですし、生み出した作品も膨大。
作品一つ一つが生まれでたいというエネルギーを爆発させ、先生の手を通してかたちになりました。

「いつも出掛けるギリギリまで手を動かしていらっしゃいましたよ(浦野先生談)」

突き上げてくる衝動の前にはいかなる障害も障害ではなく、
ただ情熱のままに自分の道を歩んで行く。

「私は好きなことをただやっていただけなのよ」という森先生の言葉が思い出されます。

もっと時間があれば、詳しく書きたいのですが、また次回。
師走の慌ただしい中、お読み頂きありがとうございました。