2017/10/29 01:31

今年はカレンダーの完成が遅れており、毎年楽しみにしていただいている方に大変ご迷惑をおかけしております。

2018年の森麗子卓上カレンダーは、遅くとも11月24日には完成いたします。
製作上の都合で当初の予定より遅れてしまいましたこと、お詫び申し上げます。

印刷所の方には、もう少し早まる場合もあります!と言われておりますので、その時はすぐにご案内をいたします。


昨日、森先生のところへご挨拶に参りました折、壁面に先生の作品が飾られていましたので、ゆっくり鑑賞させていただきました。

急遽、スマホで撮影したので色もピントもあっていない写真ですが、縦2メートルはありそうな大作です。
ガラスに入っていないので、じっくり近づいて鑑賞させていただきました。

川の流れはすべてコーチング・ステッチで表現されています。
森先生の作品は主にコーチング・ステッチの手法で制作されていますが、抑える糸の間隔がきちんと揃っていて、こんなに大きな作品であっても、一切乱れがありません。

遠くから鑑賞していたとき、黒い布をアップリケしているのかな?と思っていた場所。
近づいてみたら、すこしフワフワした糸を、コーチング・ステッチで隙間なく埋め尽くして表現されていました。

途方もなく時間がかかりそうで目眩がしそうです。

ご一緒させていただいた助手の浦野先生のお話では、先生は右手だけではなく、左手も使って針を刺していたんだそうです。

一瞬、左右の手に針を持って同時に刺す姿を想像しましたが、そうではなく、布の上から刺した針を、布の下で左手で受け取り、そのまま左手で上に針を刺し、出てきた針を右手で受け取って、また下に刺す・・・この繰り返しで正確に均等な間隔でステッチを刺していったそうなんですが、簡単に思えて実はとっても難しいことですよね?

布の下にあって見えない針を、利き腕ではない手を使って狙いを定めて上の向かって刺す。とても難しいことです。

浦野先生は「先生は、こうすると早いわよ」って両手を使って針を刺す見本を示してくれたそうですが、助手の浦野先生でさえ、「あんな風には出来ませんでした」と苦笑いなさっていました。

普通は利き腕一本だけで腕を布の上に持ってきたり、下に持ってきたり・・・単純に考えて森先生の二倍の時間がかかるはずです。

「だからあれだけたくさんの作品をお創りになれたんでしょうね」という浦野先生。
本当にその通りだと思います。

先生はお食事も字を書く時も右手をお使いになりますが、物をお取りになるときなど、すっと普通に左手もお使いになります。
私は完全に右利きなので、左手は不器用。ついつい右手ばかりを使っている私からすれば、自然に左手をお使いになる仕草は新鮮です。
「あれ?先生はもしかしたら本来は左利きだったのでは?」とも思っていますが、長年の鍛錬で左手すらも右手同様に鍛え上げたのかもしれません。

先生の多作の秘密、また一つ垣間見ることができました!